pythonで摂動論2

摂動論一例をpythonで計算を試みる

前回の続きから進めていきます!

$$\color{black}{\Large{ \begin{eqnarray} (\hat{H}_0-E_n^{(0)})\sum_{m=0}^{\infty}\lambda^m\ket{\phi_n^{(m)}}&=&\sum_{m=1}^{\infty}\lambda^{m}\left(-\hat{V}\ket{\phi_n^{(m-1)}}+\sum_{j=1}^{m}E_n^{(j)} \ket{\phi_n^{(m-j)}}\right)\\ \end{eqnarray}\tag{11} }}$$


前回の時点で上記の式まで導くことができました。いったんリマインドとして、求めたいのは、


$$\color{black}{\Large{ \begin{equation} \ket{\phi_n^{(k)}}~~~,~~~E_n^{(l)}\end{equation}\tag{12} }}$$

の任意の項であることを忘れないようにします。

それでは、固有方程式(1)を満たすような固有状態はいくつかあるわけですが、今回考えている問題では、縮退のない場合としていますので、もともと考えていた固有状態に直行する((i = nの時は直行しない)固有状態として、以下を選ぶことができます。


$$\color{black}{\Large{ \hat{H}_0\ket{\phi_i^{(0)}}= E_i^{(0)} \ket{\phi_i^{(0)}}\tag{13} }}$$


そして、上記のような状態ベクトルのブラベクトルを左から(11)に内積します。


$$\color{black}{\Large{ \begin{eqnarray} \bra{\phi_i^{(0)}}(\hat{H}_0-E_n^{(0)})\sum_{m=0}^{\infty}\lambda^m\ket{\phi_n^{(m)}}&=&\sum_{m=1}^{\infty}\lambda^{m}\left(-\bra{\phi_i^{(0)}}\hat{V}\ket{\phi_n^{(m-1)}}+\sum_{j=1}^{m}E_n^{(j)} \braket{\phi_i^{(0)}|\phi_n^{(m-j)}}\right)\\ \end{eqnarray}\tag{14} }}$$


まずは、直行する場合から。ここで、添え字i(i \ne n)の固有状態に対して以下の式が成り立ちます。(固有方程式と直行関係より)


$$\color{black}{\Large{ \begin{eqnarray}\bra{\phi_i^{(0)}}\hat{H}_0&=&\bra{\phi_i^{(0)}}E_i^{(0)}\\\braket{\phi_i^{(0)}|\phi_n^{(0)}}&=&0\end{eqnarray}\tag{15} }}$$


したがって、(14)は


$$\color{black}{\Large{ \begin{eqnarray} \bra{\phi_i^{(0)}}\sum_{m=0}^{\infty}\lambda^m\ket{\phi_n^{(m)}}&=&\sum_{m=1}^{\infty}\dfrac{\lambda^{m}}{E_i^{(0)}-E_n^{(0)}}\left(-\bra{\phi_i^{(0)}}\hat{V}\ket{\phi_n^{(m-1)}}+\sum_{j=1}^{m-1}E_n^{(j)} \braket{\phi_i^{(0)}|\phi_n^{(m-j)}}\right)\\ \end{eqnarray}\tag{16} }}$$


と変形できますこれは、i \ne nの場合ですが、とても大事です。

次にi=n の場合を考えます。(14)式は、以下のようになるでしょう。


$$\color{black}{\Large{ \begin{eqnarray} \bra{\phi_n^{(0)}}(\hat{H}_0-E_n^{(0)})\sum_{m=0}^{\infty}\lambda^m\ket{\phi_n^{(m)}}&=&\sum_{m=1}^{\infty}\lambda^{m}\left(-\bra{\phi_n^{(0)}}\hat{V}\ket{\phi_n^{(m-1)}}+\sum_{j=1}^{m}E_n^{(j)} \braket{\phi_n^{(0)}|\phi_n^{(m-j)}}\right)\\ \end{eqnarray}\tag{17} }}$$


先ほどと同様な関係式を考えますと、以下のようなものが思いつくかと思います。


$$\color{black}{\Large{ \begin{eqnarray}\bra{\phi_n^{(0)}}\hat{H}_0&=&\bra{\phi_n^{(0)}}E_n^{(0)}\\\braket{\phi_n^{(0)}|\phi_n^{(m)}}&=&0(m\ne 0)\end{eqnarray}\tag{18} }}$$


上記の二個目の式に関しては、常に成り立つわけではありません。=0になっていなくても固有方程式(2)を満たすことができます。しかし、展開する項に任意性が生じてしまいます。したがって=0となるような展開に限定するために上記の条件を要請します。したがって(14)は


$$\color{black}{\Large{ \begin{eqnarray} 0&=&\sum_{m=1}^{\infty}\lambda^{m}\left(-\bra{\phi_n^{(0)}}\hat{V}\ket{\phi_n^{(m-1)}}+\sum_{j=1}^{m}E_n^{(j)} \delta_{m,j}\right)\end{eqnarray}\tag{19} }}$$


となるでしょう。この式は、少し変形するとわかりますが、摂動を加えた固有方程式(2)そのものを示していることが分かりますので、成り立つことは確かです。

これまで求めた、(16),(19)が(11)に左からブラベクトルをかけた式ですね。

式にまた、ブラベクトルと同じ固有状態のケットベクトルを左からかけます。そしてi(i\ne n)のすべての場合で左辺同士、右辺同士を足し合わせることをします。基底を構成している固有状態の完全性関係を作ろうとしているわけです(i\ne nのままではできないことに注意)。では、左辺から考えます


$$\color{black}{\Large{ \begin{eqnarray}(Left)&=&\sum_{i\ne n}\ket{\phi_i^{(0)}}\bra{\phi_i^{(0)}}\sum_{m=0}^{\infty}\lambda^m\ket{\phi_n^{(m)}}+0\\&=&\sum_{i}\ket{\phi_i^{(0)}}\bra{\phi_i^{(0)}}\sum_{m=0}^{\infty}\lambda^m\ket{\phi_n^{(m)}}\\&=&\sum_{m=0}^{\infty}\lambda^m\ket{\phi_n^{(m)}}\end{eqnarray}\tag{20} }}$$


これは、i = nの時、左辺は0になるので足しても変わらないことからすべてのiで足すことができ、そのまま完全性関係ができて導かれますね。では、右辺を見ていきましょう。左からケットベクトルをかけ、i\ne nで足し合わせると右辺は以下のようになります。


$$\color{black}{\Large{ \begin{eqnarray}right&=&\sum_{i\ne n}\ket{\phi_i^{(0)}}\sum_{m=1}^{\infty}\lambda^{m}\left(-\bra{\phi_i^{(0)}}\hat{V}\ket{\phi_n^{(m-1)}}+\sum_{j=1}^{m}E_n^{(j)} \braket{\phi_i^{(0)}|\phi_n^{(m-j)}}\right)\\\end{eqnarray}\tag{21} }}$$


これは先ほどのようにはいかないですね。これ以上の計算はできなさそうです。

これによってそろった、左辺と右辺は


$$\color{black}{\Large{ \begin{eqnarray}\sum_{m=0}^{\infty}\lambda^m\ket{\phi_n^{(m)}}&=&\sum_{m=1}^{\infty}\lambda^{m}\sum_{i\ne n}\dfrac{\ket{\phi_i^{(0)}}}{E_i^{(0)}-E_n^{(0)}}\left(-\bra{\phi_i^{(0)}}\hat{V}\ket{\phi_n^{(m-1)}}+\sum_{j=1}^{m}E_n^{(j)} \braket{\phi_i^{(0)}|\phi_n^{(m-j)}}\right)\\\end{eqnarray}\tag{22} }}$$


となって、\lambda^mの項のみを見ると、、


$$\color{black}{\Large{ \begin{eqnarray}\ket{\phi_n^{(m)}}&=&\sum_{i\ne n}\dfrac{\ket{\phi_i^{(0)}}}{E_i^{(0)}-E_n^{(0)}}\left(-\bra{\phi_i^{(0)}}\hat{V}\ket{\phi_n^{(m-1)}}+\sum_{j=1}^{m}E_n^{(j)} \braket{\phi_i^{(0)}|\phi_n^{(m-j)}}\right)\\\end{eqnarray}\tag{23} }}$$


任意のケットベクトルを示せました!

続いて、エネルギー固有値の任意の項を求めていきましょう。エネルギー固有値は簡単です。(19)の\lambda^mの項のみを見ると、、、


$$\color{black}{\Large{ E_n^{(m)}=\bra{\phi_n^{(0)}}\hat{V}\ket{\phi_n^{(m-1)}}\tag{24} }}$$


となりますね!これで任意の項が分かりました!!

今回は、ここまでにして、次回はこの式をPythonで計算できるように書き換えていこうと思います!

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