アインシュタイン方程式と膨張解(1)
前回は、観測的事実から、宇宙が膨張していることを確認しました。実は、観測よりも前に宇宙が膨張することを示唆することがアインシュタイン方程式から考察することができました。宇宙の膨張の理論的解釈についてみていきます。
$$\color{black}{\Large{ R_{\mu \nu}-\frac{1}{2}g_{\mu \nu}\mathcal{R}=\frac{8\pi G}{c^4}T_{\mu \nu}+\Lambda g_{\mu \nu} \tag{1} }}$$
これが、アインシュタイン方程式です。
この式に計量の仮定を加えてフリードマン方程式に変形します。
計量とは、空間の曲がり具合を決めるものです。この計量がその空間を定義します。
まずは以下の計量を仮定します。
フリードマン・ロバートソン・ウォーカー計量
$$\color{black}{\Large{ ds^2=-c^2dt^2+a(t)^2\left(\frac{dr^2}{1-kr^2}+r^2d\theta^2+r^2\mathrm{sin}^2\theta d\phi^2\right) \tag{2} }}$$
ここで突然出てきたこの計量、天下り的なようにも感じますが、宇宙原理を満たす計量はこれしかないのです。(宇宙原理 – Wikipedia)
示すのは今回省略しますがこれは、宇宙原理を受け入れれば妥当な仮定となります。
また、エネルギー運動量テンソルは等方性より、以下のものを採用します。
(等方的と異方的 – Wikipedia)
エネルギー運動量テンソル
$$\color{black}{\Large{ T^{\mu}_{\nu}=\begin{pmatrix}
-E(t) & 0 & 0 & 0 \\
0 & P(t) & 0 & 0 \\
0 & 0 & P(t) & 0 \\
0 & 0 & 0 & P(t) &
\end{pmatrix}\tag{3} }}$$
これらの成分は、一様性より、時間のみの関数となっています。
これにて準備は整う、式変形をしていきましょう。
まず、(1)のアインシュタイン方程式に左から、計量をかけることで、添え字の上げ下げを行います。
$$\color{black}{\Large{ g^{\mu \nu}R_{\mu \nu}-\frac{1}{2}g^{\mu \nu}g_{\mu \nu}\mathcal{R}=\frac{8\pi G}{c^4}g^{\mu \nu}T_{\mu \nu}+\Lambda g^{\mu \nu}g_{\mu \nu} }}$$
$$\color{black}{\Large{ \rightarrow R^{\mu}_{\nu}-\frac{1}{2}\delta^{\mu}_{\nu}\mathcal{R}=\frac{8\pi G}{c^4}T^{\mu}_{\nu}+\Lambda\delta^{\mu}_{\nu} \tag{4} }}$$
ここで、\((\mu, ~\nu)=(t,~t)\)を考える(この成分がフリードマン方程式にあたるため)。
したがって、以下を得ます。
$$\color{black}{\Large{ R^{t}_{t}-\frac{1}{2}\mathcal{R}=-\frac{8\pi G}{c^4} E(t)+\Lambda \tag{5} }}$$
また、(2)の計量から、リッチテンソル、スカラー曲率は、以下のようになります。
$$\color{black}{\Large{
\begin{eqnarray} R^{t}_{t}&=&-\frac{3}{c^2}\frac{\ddot{a}(t)}{a(t)} \\
\mathcal{R}&=&-\frac{6}{c^2}\{\frac{\ddot{a}(t)}{a(t)}+\frac{\dot{a}(t)^2}{a(t)^2}+\frac{kc^2}{a(t)^2}\} \end{eqnarray}
}}$$
これらを(5)に代入することで、
$$\color{black}{\Large{ \frac{\dot{a}(t)^2}{a(t)^2}+\frac{kc^2}{a(t)^2}=\frac{8 \pi G }{3c^2}P(t)+\frac{1}{3}\Lambda c^2 }}$$
となり、フリードマン方程式が得られました。
長くなりそうなのでいったんここまでとします。
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